平成30年度 村上総合病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 137 34 33 61 88 136 433 812 1085 323
県北地域唯一の総合病院である当院では地域医療の中核として、急性期から慢性期の幅の広い医療を提供しております。近年では地域の高齢化が進み60歳以上の患者さんの占める割合が80%を超えています。 
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 103 25.06 17.66 13.59 82.29
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 82 42.82 20.92 26.83 85.26
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 58 24.64 12.58 13.79 82.93
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 50 3.02 3.01 0.00 75.00
040040xx99000x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 22 22.91 3.43 4.55 80.18
内科の最も多い症例は心不全による入院となっております。心臓の働きが低下すると、全身に酸素を含んだ血液を送ることができなくなり、動悸や息切れ呼吸困難等、全身にいろいろな症状が現れ入院による治療が必要となります。次いで誤嚥性肺炎となっています。水や食べ物などが誤嚥によって肺に入ってしまい、細菌が繁殖して炎症を起こすことで発症します。高齢者などに多く、一度起こすと繰り返す傾向があり、発症のたびに重症化したりして治りにくくなるため予防がとても大切です。3番目に多い入院は狭心症などに対する心臓カテーテル検査のための入院ととなっております。腎臓または尿路感染症は、高齢者が発熱を起こす原因の一つで、主に糖尿病や免疫機能が低下している患者さんなどにおいてはリスクと重症度が高まります。いずれも高齢者の患者さんが多く、入院期間も長い傾向にあります。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx04x0xx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 手術・処置等2なし 67 7.34 8.52 0.00 75.00
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 47 15.19 10.08 2.13 79.11
060130xx9900x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 13.2 12.34 0 80.5
060140xx97x00x 胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄(穿孔を伴わないもの) その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 12 10.42 10.58 0 69.42
06007xxx99000x 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 13.33
消化器内科では早期胃癌に対する内視鏡的胃粘膜下層剥離術(ESD)を目的とした入院がもっとも多くなっています。2006年4月から早期胃がんに対するESDは医療保険の適応となり、日本国内では広く行われるようになっています。第2位の胆石症は、胆のうや胆管に石ができて、時に痛みなど様々な症状を引き起こす病気の総称であり、結石の存在する部位により、胆のう結石、総胆管結石、肝内胆管結石と呼ばれ、一般的には胆のうの中に結石が出来る胆のう結石を胆石と呼んでいます。患者さんへの負担が少ない内視鏡的治療を、高齢者も含めて安全に配慮しながら積極的に取り組んでいます。次いで上部消化管出血の治療ための入院が多くなっています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし 20 5.2 6.19 0 2.9
060380xxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 5.42
080270xxxx0xxx 食物アレルギー 手術・処置等1なし 2.47
110310xx99xx0x 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし 12.58
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1あり 2.14
小児科では、気管支炎が最も多くなっています。子供の気管支炎は、一般的にインフルエンザウイルスやRSウイルスなどによる風邪をこじらせ、喉の炎症が気管支にまで広がることで発症します。気管支炎の感染ウイルスに効く治療薬はないため、対症療法が基本になります。咳を止める薬や痰を取り除く薬、気管支を広げて呼吸をしやすくする薬など、現れている症状に合わせて薬が処方されます。また、細菌が原因の場合、肺炎を予防するために、抗菌薬が処方されることもあります。適切な処置を受ければ、1週間ほどで治まるのがほとんどです。平均在院日数は全国平均を下回っています。次いで感染性胃腸炎、食物アレルギーによる入院が多くなっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 18 9.56 8.95 0.00 74.17
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 16 15.31 15.30 0.00 71.44
060020xx02x0xx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 12 15.33 16.49 0.00 71.25
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病なし 11 9.36 6.78 0.00 42.36
060040xx99x00x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 11 29.36 8.82 0.00 70.55
外科では腸閉塞による入院が最も多くなっています。原因と状態の程度により保存的治療を行うか手術治療を行うかが決まります。
 2番目に多いのは結腸(虫垂を含む)悪性腫瘍の結腸切除術、次いで胃がんに対して胃の切除を目的とした入院が多くなっています。
 次いで手術を伴わない虫垂炎、直腸肛門の悪性腫瘍による手術が多くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日以内、かつJCS10未満) 32 28.19 16.18 3.13 69.31
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 31 18.97 9.69 3.23 78.19
010060x2990201 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 19 17.79 16.16 0.00 69.00
010230xx99x00x てんかん手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 18 34.56 7.28 11.11 66.11
010040x099x00x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 15 57.73 18.72 33.33 70.93
脳神経外科で最も多い分類は脳梗塞の急性期病変での入院です。脳梗塞が起こってから間もない時間(4.5時間)以内に血栓を溶かす血栓溶解療法を行って、原因となっている血管の詰まりを改善させる治療や、血液をサラサラにするお薬で血栓をできにくくして再発を防ぐ治療を始め、さらに早期からのリハビリテーションなどの準備をします。
 次いで頭蓋・頭蓋内損傷の手術、手術を伴わない脳梗塞による入院となっております。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 41 2.37 6.17 0.00 0.00
140010x299x00x 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11.32
120180xx01xxxx 生殖器脱出症 手術あり 8.86
120170xx99x0xx 早産 切迫早産 手術なし 手術・処置等2なし 19.69
120140xx02xxxx 流産 2.45
産婦人科では分娩に関わる統計は含んでいません。産科領域では妊娠の判定と分娩までの管理、産後のフォローまでの周産期管理を行っています。また、婦人科領域については子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍、性行為感染症、頚管ポリープなどの疾患に対応し、悪性腫瘍については地域がん拠点病院と密接に連携を取り、適切な治療が受けられるような体制を整えています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 14 9.43 7.05 0.00 69.86
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり片眼 9.75
020200xx9700xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 6.16
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし片眼 7.52
020200xx97xxx0 緑内障 手術あり片眼 8.00
眼科で最も多いのは白内障治療のための入院で、全体の約9割となっていますが、短期滞在手術等基本料3に該当し、DPC対象外となるため、今回の集計では除外されています。その他の症例としては、黄斑円孔や網膜前膜といった加齢に伴う疾患が多く、その次に網膜剥離や糖尿病網膜症などの網膜・硝子体疾患が多くなっています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 30 52.7 27.09 13.33 83.13
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 13 18.69 5.21 0 67.23
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし 12 46.58 19.94 0 78.25
160660xxxx0xxx 皮下軟部損傷・挫滅損傷、開放創 手術・処置等1なし 10.25
160800xx99xx0x 股関節大腿近位骨折 手術なし 副傷病なし 15.22
整形外科で最も多い入院は股関節の骨折による入院です。骨粗しょう症が基盤にある高齢者では頻度が高い骨折の一つで、高齢化社会を迎えて増加してきています。この骨折に保存的治療(手術以外の治療)を行うと、長時間の臥床を強いることになり、高齢者ではいろいろな合併症を引き起こします。そのため、原則として手術を行い、早くからリハビリ訓練を開始します。しかし、全身状態が悪く手術が無理な場合や脆弱性骨折などでは、体重をかけずに安静にして治療することもあります。いずれも高齢者の患者さんが多く、入院期間も長い傾向にあります。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 33 7.18 7.31 0.00 77.7
110310xx99xx0x 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし 14 13.64 12.34 14.29 66.21
110060xx99x20x 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等22あり 副傷病なし 11.29
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術等 手術・処置等1なし 副傷病なし 5.75
110060xx99x0xx 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 8.53
当院の泌尿器科で最も多い入院は膀胱悪性腫瘍手術を目的とした入院です。膀胱癌に対する手術となり、尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除します。開腹による腫瘍切除手術に比べて患者さんの体への負担の少ない治療方法となります。2番目に多い入院は腎臓または尿路感染症です。高齢者が発熱を起こす主要因の1つで、主に糖尿病や免疫機能が低下している患者においてはリスクと重症度が高まります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 79 7 5 7 7 3 1 7.8
大腸癌 7 13 12 12 12 2 1 7.8
乳癌 5 4 0 0 2 2 1 7.8
肺癌 0 1 5 11 17 1 1 7.8
肝癌 0 2 0 0 1 3 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院では消化器内科・外科で胃癌、大腸癌を多く診ており、呼吸器内科では肺癌を多く診療しております。特に胃癌は早期であるStageⅠの割合が高くなっております。これは当院の強みである消化器内科・外科の専門医が在籍していること、内視鏡・腹腔鏡下による治療を中心に、比較的侵襲性(患者さんへのダメージ)の少ない治療を行っていることが要因となります。
 しかしながら、StageⅢ、StageⅣといった患者さんも少なくはなく、手術・化学療法・緩和ケア治療など患者さんの状態や要望に合わせた幅広い治療を実施しております。
 当院では大腸癌が他に比べ多く、Stage分類もまばらになっているのは、一般的に早期では症状らしい症状がほとんどなく、早期発見が非常に難しいものであり、その傾向が現れております。
 なお、UICC分類で不明に分類されている症例については、検査入院時には検査結果が出ていない場合や遠隔転移の有無の評価を検査入院後にするなど、当該入院中の情報では病期分類ができなかったなどの理由が挙げられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 8 15.13 58.38
中等症 79 25.29 81.99
重症 19 21.16 86.63
超重症 11 24.64 82.73
不明 0 0 0
患者数が最も多いのは中等症となりますが、重症~超重症も少なからず存在しております。重症度が上がると治療にかかる日数(平均在院日数;入院に係る治療日数)も増える傾向にあります。
 また、軽症の患者さんの平均年齢が60歳未満であるのに比べ、中等症~超重症では平均年齢が80歳以上と後期高齢者の年齢層になっており、市中肺炎は年齢が上がるごとに重症化していることがわかります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 140 42.89 75.28 15.00
その他 20 42.55 77.55 2.50
脳梗塞での入院件数は160件で、そのほとんどが急性期脳梗塞(3日以内)の症例です。
 急性期脳梗塞の患者さんの平均年齢は約75歳となっており、75歳を超える後期高齢者の患者さんの割合が高いことを示しています。
 当院の脳梗塞に係る平均在院日数は約42.89日となっております。約1ヵ月半の間治療・リハビリテーションを行った後は、約15%の患者さんがより長期入院できる病院やリハビリテーション病院専門病院へ転院を行い、残りの割合の患者さんは在宅復帰等へと移行しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 17 1.88 2.24 0 78.35
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 13 5.92 15.23 7.69 82.92
K597-2 ペースメーカー交換術 12 1 4.17 0 81.42
K610-3 内シャント又は外シャント設置術 11 7.55 30.82 9.09 69.64
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 10 1.5 5.1 0 72.2
一番多いものは冠動脈ステント留置術です。狭くなった冠動脈を血管の内側から広げるためにステントと呼ばれるメッシュ状の金属の筒を血管に留置する手術です。次いで除脈性不整脈に対して行うペースメーカー移植術(経静脈電極)の症例数が多くなっています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 67 1.03 5.31 0.00 75.19
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 24 3.38 25.29 12.50 80.63
K654 内視鏡的消化管止血術 22 4.00 23.50 4.55 71.36
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 21 5.00 14.05 10.53 86.37
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) 19 1.24 9.86 0.00 75.76
消化器内科では、早期悪性腫瘍下層粘膜剥離術(ESD)の症例数が多くなっています。これは内視鏡を使用し病変を切除する手術です。内視鏡手術は通常の開腹手術と異なり、患者さんの体への負担が少なく、入院期間が短く済むことが特徴となります。今回の消化器内科対象手術でも、内視鏡手術が上位を占めています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 鼠径ヘルニア手術 46 1.33 2.50 0.00 70.28
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 15 6.13 18.07 0.00 73.80
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 12 6.64 6.73 9.09 67.27
K6552 胃切除術(悪性腫瘍手術) 11 4.17 18.42 8.33 72.00
K7161 小腸切除術(悪性腫瘍手術以外の切除術) 11 2.36 19.09 0.00 76.00
外科で一番多いのがヘルニア手術です。足の付け根(鼠径部)にできるものを鼠径ヘルニア(脱腸)と言い、手術により飛び出た腸などを元に戻した後、人工補強材を挿入してヘルニアの出口を補強します。2番目に多い手術は大腸癌に対する腹腔鏡下の結腸切除術です。3番目に多い手術として、胆嚢炎や胆石症などの胆嚢疾患に対する胆嚢摘出術を行っております。当該手術も腹腔鏡下で行っており、手術に対する患者さんの負担をできるだけ小さくするよう努めております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫洗浄・除去術(穿頭による) 28 4.75 18.86 7.14 79.00
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所)
K1642 頭蓋内血種除去術(開頭)(硬膜下)
K1742 水頭症手術(シャント手術)
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術
脳神経外科で最も多い手術は慢性硬膜下血腫洗浄・除去術となります。慢性硬膜下血腫に対して、穿頭術を施行してドレーンにて血腫を洗浄除去する手術です。当院では高齢の患者さんの割合が高く、入院後緊急手術となることも少なくありません。手術後の状態が落ち着くと、リハビリを中心とした治療へ移行となります。
 次に多いのが脳血管内手術となります。脳の表面を走る動脈にできた脳動脈瘤にプラチナ製のコイルを詰めて動脈瘤を閉塞する方法でコイル塞栓術(血管内手術)とも呼ばれます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 430 1.01 1.11 0.00 78.28
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 26 0.92 6.96 0.00 70.73
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他)
K2822 水晶体再建術(眼内レンズを挿入しない場合)
K278 硝子体注入・吸引術
眼科では水晶体再建術が最も多い手術となります。当該手術は平成26年度診療報酬改定で短期滞在手術基本料として創設されております。片目について2泊3日で手術を行うため、平均在院日数も非常に短く、患者さんにとって最も負担の少ない手術と言えます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) 13 1.31 63.23 15.38 80.08
K0811 人工骨頭挿入術(肩,股) 12 11.50 53.67 8.33 82.33
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 12 0.00 3.83 0.00 60.08
K0732 関節内骨折観血的手術(胸鎖、手、足)
K037-2 アキレス腱断裂手術
 整形外科で最も多い手術は骨折観血的手術です。骨折観血的手術は、ギプス固定では治癒が難しい複雑な骨折や重度の骨折、関節周辺を骨折した場合に施す外科手術のことをいいます。
 2番目に多い手術が人工骨頭挿入術です。高齢者の大腿骨骨折の等、骨接合術で整復・固定が困難な場合や早期荷重が必要な場合に、大腿骨の骨頭を取り出し人工骨頭(金属製人工物) に入れ替える手術療法のことです。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 23 1.78 5.70 0.00 78.09
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術
K8412 経尿道的前立腺手術(その他)
K7981 膀胱結石、異物摘出術(経尿道的手術)
K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術
当院の泌尿器科で最も多い手術は膀胱悪性腫瘍手術となります。膀胱癌に対する手術となり、尿道から内視鏡を挿入して腫瘍を切除します。開腹による腫瘍切除手術に比べて患者さんの体への負担の少ない治療方法となります。次いで多い手術が経尿道的尿管ステント留置術となります、腎臓と膀胱をつなぐ管である尿管が腫瘍、結石など何らかの原因で狭くなったり、塞がったりしてしまったりする状態を改善するための治療です。ただし、原因となっている腫瘍や結石などがこの治療のみで治るわけではありません。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.06
異なる 11 0.35
180010 敗血症 同一 2 0.06
異なる 3 0.10
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0
異なる 1 0.03
180040 手術・処置等の合併症 同一 15 0.48
異なる 2 0.06
こちらの表では、当院における「播種性血管内凝固症候群」、「敗血症」、「その他の真菌感染症」、「手術・処置等の合併症」の発生率(請求率)を表しています。入院契機の「同一」というのは、ある病気の治療を目的として入院しその病気に対して主の治療を行ったことになります。また「異なる」というのはある病気の治療を目的として入院したが別な病気を併発していた、もしくは入院中に別な病気を発症した場合その病気の治療が主となることをいいます。  播種性血管内凝固や敗血症は、DPCで高額な点数が設定されている(入院医療費が高くなる)ため、臨床的に根拠のある診断でなければ不適切な入院医療費請求を疑われかねないDPC病名とされています。 
 手術・処置などの合併症に関しては、ほとんどがDPC病名と入院契機病名が同一である症例であり、手術・処置などの合併症を主訴として入院され、治療を受ける入院患者さんが多いということとなります。手術や処置などは合併症を起こさないよう細心の注意を払って施行していますが、一定の確率で起こり得る可能性があります。起こり得る合併症については、事前に、可能な限り患者さんへ説明をした上で、手術や処置の施行に対して同意をいただき納得してもらえるよう努めて参ります。
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