喫煙は、癌、循環器疾患、呼吸器疾患などの多くの病気の原因であることはよく知られています。一方、タバコ煙の入口となる消化器としての口腔、特に、歯肉を含めた歯周組織は、直接その影響を受けることになります。したがって、歯周病も同じように、喫煙と関連性が強いことは多くの研究により報告され、喫煙は糖尿病と並んで歯周病の二大危険因子となります。すなわち、一酸化炭素やニコチンなどによる免疫能、微小循環系、好中球機能、サイトカイン産生などへの影響により、歯周組織における宿主応答(抵抗性)や治癒に悪影響を及ぼします。その結果、喫煙者では、歯周炎が進行し、そればかりではなく、歯周病の治療への反応や歯周外科手術の経過が不良になることもはっきりしています。
平成17年に組織プラスミノーゲンアクチベーターという新薬の使用が認可されました。この薬剤は血管に詰まった血のりを強力に溶かす作用を有し、特殊な技術や道具を必要とせずに普通の点滴同様に手足の血管(静脈)から打つことが可能です。いよいよ脳梗塞に陥った人を救える時代が訪れました。ただし症状が出てから3時間以内に注射を開始する必要があるなど厳しい制約がありますので、呂律が回らない、手足が効かないなどの症状が出た場合には速やかに医療機関を受診しましょう。
村上総合病院 脳神経外科 小田 温