子宮頚がんワクチンについて

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子宮がんには2種類あり、子宮の入り口にできる頚がんと子宮の奥(体部)にできる体がんがあります。頚がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が原因で発症することが分かりました。HPVは皮膚や粘膜に存在するごくありふれたウイルスです。100種類以上ありますが、頚がんの原因となるのは15種類程で“発がん性HPV”と呼ばれます。また、発がん性HPVは主に、性交渉によって感染します。

ほとんどの女性が一生に一度はHPVに感染するといわれています。そのうち10人に9人は、免疫力でウイルスを追い出すために自然にHPVが消えますが、希に感染が長く続くことがあり、(持続感染といいます)前癌病変を引き起こし、引き続いて癌を発症する可能性が高くなります。

発がん性HPVの中で16型・18型の2種類は頚がん患者の約60%に見つかっています。その2型のウイルスに対するワクチンにより抗体が産生され、感染を防ぐことができ、約60%の頚がんの発症を予防することができます。

ワクチンは筋肉注射で、初回・1ヶ月後・6ヶ月後の計3回の接種です。性交渉による感染を考慮の上、海外の多くの国では12歳前後からが接種対象です。しかし、成人の方でも感染予防効果と前癌病変発症予防効果がありますので、おおよそ45歳未満が接種対象になっています。幅広い年代の女性が対象のワクチンです。

現在は、保険適応でないため、計3回分の自己負担は42735円となりますが、がんに対しての初めて認められたワクチンです。希望される方は、外来にお越しの上、御相談ください。

村上総合病院 産婦人科 藤巻 尚

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