ピロリ菌と胃十二指腸潰瘍と胃がんのお話

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みなさん、ピロリ菌をご存知でしょうか?胃の中に住みつく細菌で日本人の2人に一人は胃の中に持っています。この菌は胃の粘膜に炎症を起こし、胃炎や胃十二指腸潰瘍の原因となることがあります。ピロリ菌を持っている患者さんで胃十二指腸潰瘍を繰り返す人に対して私たちは潰瘍を治療し、その後に除菌治療を行います。除菌治療によりピロリ菌が消えると潰瘍の再発の可能性が大幅に減少します。除菌治療はプロトンポンプ阻害薬という消化性潰瘍薬と2種類の抗生物質を7日間内服します。副作用としては下痢があります。

最近胃癌とピロリ菌の関係が話題になっています。50歳以上の日本人の7割の方がピロリ菌に感染し、大部分の方が慢性胃炎となっています。この中で胃癌が出る方は極く少数ですが、ピロリ菌のいない人より多いと言われています。胃癌が発生する原因としてピロリ菌による胃粘膜の長年の炎症、遺伝的素因、塩分の多い食事、喫煙などが考えられています。胃十二指腸潰瘍を繰り返し、ピロリ菌がいる方は積極的に除菌治療をすることをお勧めします。除菌治療に関して希望がありましたら病院の消化器内科や消化器内科医院を受診して下さい。

村上総合病院 消化器内科 太田 宏信

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