変形性膝関節症とは?

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変形性膝関節症とは、加齢により関節の軟骨がすり減り変形を起こしてくる疾患です。
わが国では高齢化とともに患者数も増加しており、自覚症状を有する患者数は1,000万人を超えるといわれています。

症状としては膝の動かし始めや歩き始めの疼痛、階段の降りる時の疼痛、正座する際の疼痛などが多く、疾患が進行し変形が進んでくると膝が伸びきらなくなったり、O脚になったりと外見上の変形も出現してきます。

治療は、保存療法(手術を行わない治療法)が基本です。 内服による疼痛の緩和や関節内注射などさまざまな治療がありますが、生活環境の改善と運動療法が効果的と言われており、特に初期ではさらに効果が高いといわれています。運動療法では、別コラムでも取り上げられていますが、大腿四頭筋の強化が重要です(「大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)の筋力トレーニング」を参照してください)。

十分に保存療法を行っても、満足のできる結果が得られない場合は手術療法を行うことがあります。

手術療法として①骨切り術や②人工関節置換術などがあります。
①の骨切り術は膝をO脚(内反膝)からX脚(外反膝)にすることで、軟骨がすり減ったために傷んでいる箇所への荷重を減らし、疼痛を緩和する手術です。

①骨切り術 O脚をX脚に

②の人工関節置換術は軟骨がすり減り傷んでいる箇所を金属とポリエチレンへ置換することで疼痛を緩和する手術です。

②人工関節 金属とポリエチレンで損傷部位を置換します

①と②の手術のどちらを適応するかは年齢や軟骨の傷み方、足の変形の程度によって変わってきますが、当院でも2020年10月から、どちらの手術も行えるようになりました。

なかなか膝の痛みがよくならない、手術について話を聞いてみたい、などありましたら 一度整形外科での診察を受けてみるのはいかがでしょうか。

村上総合病院 整形外科 捧陽介

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