県北から胃の病気をなくしましょう
~知ってますかピロリ菌~

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「がん」は日本人の死因の1位です。日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんでなくなることは知られています。がん死の原因は、長らく肺がん、胃がん、肝がんでしたが、最近、この順位が変わってきていることはご存じでしょうか?胃がんと肝がんによる死亡が年々減り、大腸がんや膵臓がんによる死亡が増えています。高齢化に伴い、胃がん死は増え続けていましたが、ついに、減少してきました。診断や治療技術の進歩そして胃がん検診の普及により「早期診断・早期発見」ができるようになったことと、ほかにも理由があります。

胃がんになっても完治する人や長生きできる人が増えました。高齢化に伴い罹患数(かかる人の数)は年々増加していますが、年齢を考慮して計算し直すと若い世代では、胃がんになる人が年々減っていると推測されています。2040年頃には胃がんで亡くなることはめずらしくなると言われています。その理由は、日本人の胃がんの99%はピロリ菌が原因だからです。これからはピロリ菌にかかったことがない若い世代が増えるので、胃がんにかかる人は自然に減っていくと考えられます。また、ピロリ菌にかかっている人でも除菌することで胃がんは予防できるのです。さらに除菌によりさまざまな胃の病気も予防できます。ピロリ菌に一度もかかったことがない人は、胃がんになる心配はほとんどありません。その一方で、過去に感染し胃炎の進行によりピロリ菌が胃に住めなくなってしまった人の場合は、ピロリ菌検査が陰性になることがあります。この場合は、胃がん発生のリスクが高いので要注意です。毎年、内視鏡を受けてください。

まずは、一度、内視鏡検査を受けてみること、そしてピロリ菌がいたら除菌をお勧めします。その後は、胃の状態に応じて、定期内視鏡をおすすめします。
どうしても内視鏡をする決心がつかないという方はまず、ABC検診を受けてみてピロリ菌感染の有無と胃がんにかかりやすいかどうか調べてみるのもいいでしょう。採血検査をするだけで、ピロリ菌に感染しているかどうか?さらに胃炎の進行があるかどうか?がわかるので、胃がんになるリスクを知ることができます。当院の検診センターでは、ABC検診だけ選んで受けられるプチ検診もできますのでおすすめです。

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